ドギー・オーダー

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【犬走椛】

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『将棋』とは9×9の升目が書かれた盤上に、二人の差し手が互いの駒を二十枚ずつ並べて行う盤上遊戯である。差し手は交互に指す・打つ・取る・成るの選択肢から一手を選択し合い、先に相手の『王』駒を取ると勝利となる。通常の対局の他、同じ道具を用いる別種の遊びや、地域独自のルールなどが存在する。そういえば、この店のカウンター横にもひっそりと将棋盤が置かれているが..........。

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幻想郷にも将棋は存在する。ただし、先の概要はあくまで人間用。主に白狼天狗や河童たちの間で流行している将棋とは一線を画す。人間用のルールだと対局時間が短すぎると考えた天狗たちは、独自に駒やルールを追加していったという。妖怪たちの間では、それを『天狗大将棋』と呼ぶ。その中でも花は、積極的にルール拡張を行っており、かける想いの熱さが窺い知れようというものである。

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【青娥娘々の淑女の社交場】桃を観察し始めてから、どれくらい経っただろう。ようやく手元のグラスが空であることを思い出したのか、限定ドリンクのお代わりをオーダーする。注文を受けるとすぐに、青城は慣れた手つきでシェーカーを振るう。完成した限定ドリンクをグラスに注ぎ、カウンターテーブルの上を滑らせる。華麗でシャレの利いた演出......のはずだが、花は見向きもしない。

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